(2023.02.07)

さあ、国の威信を賭けて海の男たちが闘う“海のF1”――次回アメリカズカップ開催地がバルセロナに決まり、昨年暮れまでに大会スケジュールも発表されました。チャレンジャー・シリーズとアメリカズカップ本戦のレースエリアは、バルセロナのカピタン・マリティモと決定、バルセロナ市の南側、海岸線に沿って設定され、観客にとっては完璧な自然景観のギャラリーとなる予定です。

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ⒸAC37

現在エントリーしているのは、カップホルダーのニュージーランド、イギリス、フランス、イタリア、アメリカ、スイスの6か国です。

陸から観戦する観客にとっては、コンディション次第ではビーチから数百メートル離れた場所でレースを見ることができ、ギャラリーやファンゾーンも設置予定で、バルセロナはこの第37回アメリカズカップで世界を魅了する舞台となるでしょう。

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ⒸAC37

採用艇は前回とほぼ同じ、ダブルラフセールを装備したモノハルフォイラーAC75と同タイプとなっています。コードゼロなどのヘッドセールを廃したため、バウスプリットも不要になり、全75フィートから67.5フィートに変更されました。

乗員は11人から8人に減らされ、グラインダーは手で回すことに規定がありません(全大会同様、足でグラインダーを回すチームもありか)。さらに次期大会では、AC75の小型バージョンとも言えるAC40による女子とユースのレガッタ(Women’s and Youth America’s Cup)開催も決定しています。

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ⒸAC37

特に、2024年10月16日の第5レース終了後に開催される女子アメリカズカップ・レガッタ・ファイナルの日程も決定、世界中の視聴者に向けてプライムタイムに放映され、女子大会にとって大きなメディア効果と注目度を得られることになります。

新しくエキサイティングなAC40クラスは、厳格なワンデザインで設定され、女子アメリカズカップの決勝に進出するセーラーは、間違いなく地球上で最も優れたフォイルセーリングアスリートになり、将来のアメリカズカップへの明確な道筋が示されることになるでしょう。

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カップホルダーのエミレーツチームニュージーランドは早くもAC40艇を披露/ⒸAC37

アメリカズカップ本戦マッチレースは、全13戦のレース中、先に7勝したチームが優勝となります。10月12日(土)に2レース、10月13日(日)にさらに2レースが予定されています。その後、レースは2日間中断されますが、レガッタディレクターの判断により、ディフェンダーとチャレンジャーの両方と協議の上、コンディションによっては、この2日間を1日2レースで実施することも可能です。月曜日と火曜日を使用しない場合、2024年10月16日(水)に1レース(第5レース)、そして上記の女子アメリカズカップ・レガッタ・ファイナルが再開されます。


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イギリスのイネオスブリタニア/ⒸAC37

10月17日(木)は公式にはレースが予定されていませんが、レガッタ・ディレクターの裁量と競技者との合意により、コンディション次第でさらに2レースが予定されており、10月18日(金)は公式に「スペアデー」として最大2レースが予定されています。また、2024年10月19日(土)と20日(日)には、必要に応じて1日2レースが予定されています。

2024年10月19、20日の週末にすべてのレースは終了予定ですが、スケジュールでは、2024年10月21日から27日までの翌週に、必要に応じて予備日としてレースを継続することが可能になっています。

いずれにせよ、レースは、ビーチのまん前、港のメインエントランスから海岸沿い、ポートオリンピックを過ぎ、さらに東側で展開、観客にこれらの素晴らしい沿岸地域のすべてを見られる素晴らしい機会を提供することになります。

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アメリカのアメリカンマジック/ⒸAC37
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スイスのアリンギレッドブルレーシング/ⒸAC37
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フランスのオリエントエクスプレスチーム/ⒸAC37

□第37回アメリカズカップ・プロトコル(議定書)から一部抜粋

・ボートはAC75タイプ

・バウスプリットは削除され、全長は75ftから67.5ftに変更

・ヘッドセールのコードゼロ廃止

・マスト高さ、セールプランは前大会同様

・ボートの総重量、前回大会から500kg減少

・ターゲット風域は6.5~21kt

・新艇1艇のみ製造許可

・フォイル、パーツ類の数量制限あり

・乗員は11人から8人へ

・ワンデザインクラス

・AC40クラスでの女子レガッタ&ユースイベント同時開催

・クルーは全員ヨットクラブ国のパスポートを所持。ただし、アメリカズカップ新興国はのぞく

・チームは水素駆動のフォイル・チェイスボート2艇を運用

・2023年5月31日までレイトエントリー可

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