(2024.10.23)
10月19日、スペイン・バルセロナで開催されていた世界最高峰のヨットレース、第37回アメリカズカップは、エミレーツ・チームニュージーランド(ETNZ)がイネオス・ブリタニアを7対2で敗り、栄えあるアメリカズカップを防衛しました。8月末から続いた長い闘いは、王者ニュージーランドが圧倒的な強さで勝利を収めました。
ETNZは、2017年大会から3大会連続でカップを手にすることになりました。今大会の 挑戦艇となったイネオス・ブリタニアは、挑戦艇決定シリーズファイナルででイタリアのルナロッサ・プラダ・ピレリ・レーシングに勝利して、満を持してアメリカズカップ本戦に挑みました。
本戦は13戦が予定され、先に7勝したチームが勝者となります。いざレースが始まるとパフォーマンスの差は歴然でした。ニュージーランドはあっという間に5連勝。その後、イネオス・ブリタニアが2勝しましたが、追い上げならず。
最終日となった19日のファイナルレースでは、イネオス・ブリタニアが先行しますが、有利な右海面を選択したニュージーランドがすぐさま逆転、37秒差でフィニッシュ、見事、銀杯と手にしました。
ニュージーランドは、2017年大会(バミューダ・AC50)、2021年大会(オークランド・AC75)に続いての勝利。3大会とも名将グラント・ダルトン(CEO)が総指揮を取り、ピーター・バーリング(ヘルム)、ブレア・チュークがセーリングの軸となり、今回はさらにネイサン・アウタリッジ(ヘルム)、アンディ・マロニーが参加する布陣で挑みました。
「私たちが成し遂げたことをとても誇りに思います。アメリカズカップは、世界で最も勝ち取るのが難しいスポーツトロフィーのひとつ。勝つためには非常に多くの要素が一体とならなければなりませんが、それを3回連続で達成できたことは特別なことです」(ピーター・バーリング)
すでに次回大会への動きは活発で、ダルトンは次回大会はバルセロナでの開催はないと発言。1チームの投資額は200億円とも言われ、巨額のカネが動く“海のF1”の次回大会の開催地は、どうも中東か、それとも同じスペインのバレンシアか……水面下の動きが激しくなってくることでしょう。
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