(2024.04.22)
4月に入って、アメリカズカップに参戦する新艇が続々と公開されています。海のF1と言われるだけあって、その流麗な躯体デザインには惚れ惚れとしてしまいます。この美しいモンスターたちは洋上を時速90キロ以上のスピードで疾走するのです。これまでのヨットの概念を覆す異次元のヨットレースを、今夏、ぜひスペインのバルセロナでお楽しみください!
□エミレーツ・チーム・ニュージーランド(Emirates Team New Zealand)
王者エミレーツ・チーム・ニュージーランドの新艇は、4月18日、地元ニュージーランドのウィンヤードポイントにあるチームベースで公開されました。新艇の名前は「タイホロ」。マオリの天文と航海の守護神タイホロ・ヌクランギに因んで命名されました。チームにとっては14番目の艇であり、これまで85,000時間以上をかけて取り組んできたスーパーヨットです。

□ルナ・ロサ・プラダ・ピレリ(Luna Rossa Prada Pirelli)
今年で6度目の挑戦となるイタリアチーム。昨年は、決勝でNZチームと闘い3レースを制して、アメリカズカップ史上イタリアチームとしては過去最高の成績を残しています。チームを率いるのはプラダファウンデーションの総帥、パトリツィオ・ベルテッリ。イタリアのカリアリでお披露目された新艇のシップクリスニングでシャンパンを手にしたのは、パトリツィオの奥様、ミウッチャ・プラダでした。その圧倒的な美しさを見せつけたシルバーのボディが、時速100キロの速度で洋上を滑走するのを見るのは待ち遠しい限りです。古き諺に曰く、'if it looks right it probably is'。



□アリンギ・レッドブル・レーシング(Alinghi Red Bull Racing)
スイスの大富豪、エルネスト・ベルタレッリの娘であるキアラ・ベルタレッリが前甲板でシャンパンボトルのクリスニングを行いました。ベルタレッリのアリンギチームは、31回(2003年)、32回(2007年)の大会で優勝を果たし、海のないスイスにカップをもたらしましたが、2010年の33回大会でアメリカのオラクルチームに敗れました。スイス全土が今年バルセロナで開催される第37回ルイ・ヴィトン・アメリカズカップで昔の栄光を取り戻し、優勝することを願っています。



□イネオス・ブリタニア(Eneos Britania)
4月20日、英国のファンなら誰もが173年ぶりのルイ・ヴィトン第37回アメリカズカップ優勝の可能性を期待するボートが姿を現しました。過去2年半に渡って「RB3」なるコードネームで呼ばれていたAC75の最新艇は、船体フォルムの曲率を強調し、見るものを惑わす見事な塗装が施され、奇想天外な美しさを放っています。これまでとは微妙に異なるアプローチで、デザインと建造の最高峰を表現しています。イギリスはついにオールド・マグ優勝を目指して大会の奥深くまで進むことができるデザインを手に入れたと、期待はますます高まっています。


⬜︎スケジュールは以下の通りです。

#アメリカズカップ #AC37 #バルセロナ