(2022/01/04)
王立区であり高級住宅街としても有名なチェルシー地区に位置するビーバーブルック・タウンハウスは、伝統的な英国邸宅の魅力を余すところなく伝えています。
ロンドンの南西にあるサリーヒルズで、2017年にオープンして以来、ビーバーブルックホテルは、のどかなリラクゼーションのひとときを過ごすためにやってくる、遠方からのお客様をお迎えしてきました。そして今、ビーバーブルックはロンドンにビーバーブルック・タウンハウスを最近オープン、コスモポリタンな方向へと展開しています。

チェルシー地区にあるジョージアン様式のタウンハウス2棟を改修したビーバーブルック・タウンハウスは、伝統的な英国邸宅の魅力を存分に味わうことができ、中に入ってみるとその魅力に驚かされます。1800年代にチャールズ・スローン・カドガンによって建てられたもので、総面積は15,000平方フィート、最近までアパートメントとして使用されていましたが、12ヶ月にわたる入念な修復が行われました。
昨年9月にオープンした新しいタウンハウスは、14室の高級スイートルームと、コンテンポラリーな日本食レストランとバーを備えています。わずか14室のスイートは、カントリーサイドにあるエステートよりも明らかにブティックホテル調ですが、それだけに居心地の良さは格別です。

このタウンハウスもサリーヒルズの旧邸宅同様、男爵であり戦時中の国会議員であったビーバーブルック卿にちなんで命名されました。20世紀初頭、フリート・ストリートとサリー地区の邸宅で、ウィンストン・チャーチル、イアン・フレミング、エリザベス・テイラーなどをもてなしたことで知られています。
エントランスをくぐった瞬間から、独特の、そして入念に作られた英国的でアットホームな雰囲気が漂い、伝統的な堅苦しいレセプションデスクは取り除かれ、居心地の良いライブラリースペースがゲストを迎えます。ビーバーブルックのロンドン初のホテルは、その名前と同じようにあらゆるものを過不足なく揃えており、ロンドンに次々とオープンする新しいホテル群の中で、あらゆる意味で際立っている存在であることは明らかです。それは、まるで裕福な友人の家に泊めてもらっているような気分で、上質なものを堪能することができるという具合でしょうか。
2021年にオープンした世界で最もエキサイティングなホテルとして注目を浴びたビーバーブルック・タウンハウスは、ロンドンのホスピタリティシーンに変化をもたらし、デザイン重視が主流となった新しいホテル群のひとつに加わりました。
14室のスイートの名前は、それぞれロンドンを代表する劇場にちなんで名付けられ、各部屋にはその劇場にちなんだ遊び心がさりげなく施されています。クラシック、デラックス、スタジオから選べる各部屋には、豪華なキングサイズベッド(一部は四柱式)が置かれ、極上の柔らかさとスタイリッシュなリネンが用意されています。また、長期滞在や大人数のグループには、1階の5つの客室を組み合わせて、エグゼクティブフロアとして利用することも可能です。

ビーバーブルック・タウンハウスでは、各スイートルームをホテルの一室としてではなく、快適な“サンクチュアリ”としてゲストが利用できるよう、ビーバーブルック流のデザインを施しています。自宅のように寛いでもらえるよう、お菓子やミニバー、ウィスキーのデキャンタなどが用意されており、ゲスト自身で自由に利用できます。

ゆったりとしたバスルームには、英国のスパブランド「バンフォード」のエコロジーなアメニティが用意されています。「バンフォード」は、最高級の天然オーガニック素材を使用し、より意識的な健康へのアプローチを試みているブランドです。

ビーバーブルック・タウンハウスにはスパはありませんが、リラックスしたいときには、部屋でウェルネスセラピーやビューティートリートメントを受けることが可能です。
ビーバーブルック・タウンハウスは、サリーヒルズのエステートと同様、日本料理の影響を受けた食事を提供しています。レストランマネージャーのトルディ・フェアウェザー氏とヘッドシェフのアレックス・デル氏は、ともに「Nobu」で経験を積んでおり、ハイクオリティな食事を安心して楽しむことができます。

レストラン「Fuji Grill」のメニューは、伝統的なアジアの味と地元の食材を融合させたもので、その多くはビーバーブルック・エステートのキッチンガーデンから直接仕入れています。天ぷら、にぎり、刺身などのアラカルトメニューからセレクトするか、20品のおまかせコースでシェフにお願いするものいいでしょう。おまかせコースでは、おまかせ席に座り、日本出身の石川五右衛門シェフが手作業で丁寧に仕上げる職人技を見ることができます。石川シェフは、世界各地で修行を積んできており、地元の最高の食材を引き立てた、さまざまな文化や料理が融合した作品となっています。

料理に合わせるワインは、ヘッドソムリエのジョバンニ・タルー氏による充実したワインリストからのセレクションです。サリーヒルズのアルベリー・エステートでつくられたオーガニック・ブレンドのビーバーブルック・スパークリング・ワインなど、地元のワインも厳選して揃えています。

文化的な都会人にアピールするためか、日本テイストのテーマは、レストランのデザインにも生かされています。19世紀に描かれた富士山の木版画や北斎の「神奈川沖浪裏」など、日本美術の至高の作品宝庫で壁面が飾られています。

食後の一杯は、「サー・フランク・バー」(ビーバーブルックのクリエイティブ・ディレクター、フランク・ロウ卿にちなんで名付けられました)で寛ぎましょう。演劇にちなんだカクテル、厳選されたワインリスト、充実したウイスキーメニューが揃っています。ウィンストン卿にちなんだカクテルはもちろん、フレミングの架空のスパイにちなんだマティーニも豊富にあります。たとえば、007はシップスミスのVJOPジンにベルモットとカンパリを合わせたカクテルとか。革張りのブースは、食前酒を楽しむのに最適な場所です。スコッチがリストの大半を占めていますが、日本の銘柄も豊富に取り揃えています。

ウエストエンドのショーや美術館、レストラン、観光など、ロンドンではさまざまなエンターテイメントを楽しむことができますが、ビーバーブルック・タウンハウスはまさにその中心部に位置しています。ホテルは象徴的なスローン・ストリートに位置し、リバーフロント、バッキンガム宮殿、ハイドパークなどの名勝地はすべて徒歩圏内にあります。また、彫刻やガーデン、テニスコートなどがある閑静なカドガン・ガーデンもアクセス圏内です。

また、ロンドンで最も有名なショッピングエリアも数分で行くことができます。スローン・ストリートには、バレンシアガ、シャネル、カルティエ、プラダなどの有名ブランド店が軒を連ね、近くのパビリオン・ロードには、個人経営の店や飲食店が並んでいます。さらに少し足を伸ばせば、ボンドストリートの高級ブティックや、リバティ、セルフリッジといったロンドンを代表する百貨店もあります。
フィットネスがお好きな方は、地元のKXUジムと提携しており、最新の設備で20種類以上のクラスが揃っていますので、気軽に利用できます。もちろん、パーソナルトレーナーも呼ぶことができます。
ビーバーブルック・タウンハウスは、ニコラ・ハーディング氏とフランク・ロウ卿によるデザインで、サリーエステートにある旧邸宅のオーナーだったビーバーブルック卿が好んだ遊び心あふれるテイストを、華麗に再現しています。1920年代のアールデコの美学にインスピレーションを受け、新旧の遊び心が融合されたものとなっています。

豪華で豊かな色彩、豊富なプリント、手触りのよい質感の組み合わせ、そして膨大な数のヴィンテージアートと記念品のコレクションが、過ぎ去った時代のうらやましいほどの華やかさをイメージさせてくれます。デザインプロセスでは、ロウ氏とハーディング氏は、完全に改装するのではなく、元々あった多くの特徴を復元することに重点を置き、このタウンハウスのビンテージの薫りに本物の要素をさらに加えていきました。

ハーディング氏は、他の仕事と同様、このタウンハウスの内装でもサステナビリティを重視し、ロンドンを拠点とするデザイナーやサプライヤーによる意識的に作られた素材や作品を選びました。たとえば、Howeのアンティークチェア、Penny Worrallのクッション、Rosi de Ruigのランプシェード、Vaughan Designsの装飾照明、Joseph Gilesの鉄器、Samuel & Sonsのトリミングなどなど。そして、ニコラ・ハーディングの特注カーペットで完璧な仕上がりとなりました。

実は、このホテルはカドガンとの提携でオープンしたものです。英国屈指の資産家が率いるこの不動産会社は、タウンハウスを含むチェルシーの広大な土地を所有し、地元のビジネスやプロジェクトに投資して、この地区の魅力を高めることに力を注いでいます。
タウンハウスなどのオープンにより、人々はチェルシーとその豊かな歴史に浸ることができ、ロンドン市民はこの地を改めて好きになることでしょう。
料金は、クラシックルームで1泊600ドルから、スタジオスイートで1泊1,500ドル程度まで。“おまかせコース”は約1,100ドルからで、宿泊、20品のディナーコース、フル・イングリッシュ・ブレックファストが含まれます。
□Beaverbrook Town House
115 Sloane Street, London, SW1X 9PJ
電話:+44 (0)203 988 6611
予約:reservations@beaverbrooktownhouse.co.uk
https://www.beaverbrooktownhouse.co.uk/