今年4月、アトランティックカーズが、ダラーラ・ストラダーレの日本国内独占輸入権獲得を発表しました。世界最大のレーシングカー製造会社「ダラーラ」の創始者ジャンパオロ・ダラーラの夢を実現した同社初のロードカーです。
イタリア出身の自動車エンジニア、ジャンパオロ・ダラーラは、フェラーリやマセラティ、ランボルギーニなどのイタリアン名門ブランドで様々な業績を残しました。やがて自身でダラーラ社を創設、それを世界最大手のレーシングカーコンストラクターに成長させたのです。

そんなダラーラ社は、これまで7回ほど独自ロードカーのプロジェクトを策定しましたが、様々な事情で実現するには至らなかったのです。そしてついに、昨年、レーシングカー、特にフォーミュラカーの開発から得た経験と知識をロードカーとして具現化するというダラーラ氏の夢が叶ったのです。
ダラーラが創る、公道走行可能なスポーツカーを意味する「ストラダーレ」の名称を得たクルマは、いわゆる馬力重視ではなく、軽さ(車重855kg)とダウンフォース(820㎏)を開発の核として生み出されました。

ダラーラ社CEOのアンドレア・ポントレモリ氏は言います。
「現在、クルマの話をすると、何馬力の出力がありますか?みたいなことばかり。しかし、このクルマの開発の指針になっているのは、車重(855㎏)、ダウンフォース(810㎏)、最大横加速度(2G)。自分の夢を実現してそれを運転するということは、並はずれた事と言えるでしょうね。このクルマは従来にない、とてもユニークな存在なのです。フォーミュラカーの開発理念を一般道に移して造り上げた、そういうところがあるのですから」。
今回、ダラーラ社と独占契約に漕ぎ着けたアトランティックカーズの野澤隆之社長も、ダラーラ社の姿勢を手放しで賛美します。
「エンジニアサイドからの意見で造る、理詰めのクルマ造り――さすがジャンパオロさんの考えをそのまま実現してしまうピュアな会社。ダラーラはまさに孤高の存在です。アンドレアの言葉には真実がありますね。“車の速さの代表的な構成要素は、15%がエンジンパワー 35%が軽量化、そして50%がエアロダイナミクス、つまりダウンフォースです”と。ここまでダウンフォースを実現した車が他にあるのか?素晴らしい概念であり、車を見る基準を変えざるを得ないですね。その理論と経験に裏打ちされた見事なバランスが“Dallara Stradale”なんです。 大切に日本で育ててゆきます」

ダラーラ・ストラダーレは、4月24日からアトランティックカーズが日本正規輸入者として販売を開始します。価格(税別)は、ベースとなるバルケッタ状態が2256万5000円。パドルシフトやガルウイングドア等はオプションとなります。ダラーラ・ストラダーレは約5年で600台という総リリース台数が予定されています。

ダラーラ・ストラダーレ諸元
価格:2256万5000円(税別)
パワートレイン:直4DOHC+ターボチャージャー
ステアリング:左
全長:4185mm
全幅:1875mm
全高:1041mm
ホイールベース:2475mm
車両重量:855kg
最高出力:400ps/6200rpm
最大トルク:51.0kg-m/3000-5000rpm
サスペンション(前/後):ダブル・ウイッシュボーン
最高速度:280km/h
□問合せ先:アトランティックカーズ(東京都港区麻布台 2-3-3/03-3583-8611)