ドバイは、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつです。また、ドバイ首長国の首都として、アラブ首長国連邦第2の中心都市でもあります。人口は約244万人(2016年1月時点)。
中東屈指の世界都市並びに金融センターであり、21世紀に入ると、多くの超高層ビルや巨大ショッピングモールを含む大型プロジェクトが建設されるなど、世界的な観光都市となっています。
首長(アミール)は、ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥームで、アラブ首長国連邦の副大統領と首相も兼任しています。連邦国の首都アブダビ市を擁するアブダビ首長国がアブダビ市以外にもいくつかの市によって構成されているのに対して、ドバイはドバイ市のみで首長国を構成する、事実上の都市国家です。首長とは別に市長が置かれ、主に民政を担当しています。

21世紀に入って、ドバイは中東における貿易・商業の最大の中心地と呼ばれるまでのメトロポリスに変貌していきます。
1970年代からわずか約20年のうちに起こった変化は、都市の外観だけでなく、経済の石油依存率は半分以下、GDPの伸びは30倍に達するなど、その激変ぶりは“中世から近代への急変”と表現されるほどのすさまじさでした。
2003年以降の発展は特に著しく、2004年の後半から続く原油高がその発展をさらに後押ししました。2005年度の経済成長率は16%と非常に高く推移して、2007年の実質GDPは1980億ディルハム(約6兆円)にまで達しました。
人口も240万人を超えたドバイは摩天楼の連なる幻惑的な都市国家として、中東随一の繁栄を誇るに至りました。

2013年初頭では、住民の83%が外国人となっています。殊に「世界で最も美しいインド人の町」と言われるほどインド人が多く、全人口のうち約75%を、インド人を主とする南アジアからの出稼ぎ労働者が占めています。なかでも建設業を主力として、社会のあらゆる職種にインド人の姿を見ることができます。
また、フィリピン人も多く、その多くがサービス業や家政婦、看護師業などに従事しています。その他、欧米人やロシア人なども多く居住しています。在留邦人は3,039人(2017年)。
また世界有数の観光都市としても有名で、世界で8番目に外国人旅行者が多く訪れる都市(マスターカード2012年)であり、その数は中東随一です。

現状までの経緯
1971年12月2日、他の6の首長国とともにアラブ首長国連邦を結成。その副大統領兼首相となったラーシド首長を指導者として、原油依存経済からの脱却の取り組みと産業の多角化を進めてきました。
1985年に開設された「ジュベル・アリ・フリーゾーン」 (JAFZ)という経済特区と、大型港湾、さらにナショナル・フラッグ・キャリアとしてのエミレーツ航空の就航開始は、国外資本や外国企業の進出とあわせて、ドバイの発展を急速に促していきました。
しかし、2008年後半に起きたリーマン・ショックは、これまで急激な勢いで伸び続けてきたドバイにも大きな影響を与えました。
外国企業からの投資引き上げや地元企業の資金繰り悪化と、それに伴う多数の建築工事や計画の中断が報じられました。またその結果起きた外国人労働者の失業や経済低迷報道を受けた観光客の減少など、投資依存型のドバイ経済は大きな打撃を受けたのです。
しかし、2010年度の海外からの観光客も前年比9.2%増の8,294,132人を記録するなど、いわゆる“ドバイショック”なる大きな負の遺産を大いなる反省として克服、現在は見事に蘇生して、以前にも増して超近代的な経済発展を展開中です。
2020年には、中東で初となる世界万博開催も控えています。予想来場者数は約2500万人。ウルトラモダナイズドシティ、ドバイのさらなる発展は止まりません。
