ドバイ中心部からおよそ4km、ボートで20分の海上に眼を見張る風景が広がっています。このザ・ワールドは人工島の集まりで、それは宇宙からも確認できます。
ザ・ワールドはドバイ首長の肝いりで2003年にスタートしたとてつもないプロジェクトでした。ドバイ沖に世界地図に見立てたラグジュアリーな人工島の世界を作り出そうとしたのです。それは世界中の注目を集めました。2008年、人工島のほとんどは完成しましたが、直後に起きた金融危機でその後の開発が頓挫、混迷のなかにありました。しかし、近年、再び開発に進展が見られるようになりました。

なかでも最近活発な動きを見せているのが、ハート・オブ・ヨーロッパです。50億ドルをかけたこのプロジェクトは、ザ・ワールドのなかに「フローティングベニス」「スイスアイランド」「ドイツアイランド」「スウェーデンアイランド」など、ヨーロッパをモチーフにした6つの島を開発中です。13のホテル、4000以上の居住施設など、その広さは600万平方フィート(約56ヘクタール)、1万6000人が集うメガリゾートとなります。

注目すべきは、そこには10万個以上の珊瑚、様々な海洋生物、そして樹齢1500年のアンダルシアオリーブなどが生育する、完全に環境制御された初のリゾートとなること。海上に造られるこれらの島にとって、サステナビリティはプロジェクトの柱です。すべての電力は再生エネルギーで賄われます。

ドバイの真っ青な空と穏やかに澄んだ海のもと、タツノオトシゴとも呼ばれるフローティングヴィラが建設されています。それぞれのヴィラは3階建で、最低層階は水中にあり水族館のように海洋生物を観察できます。そこには10万個の珊瑚が育つ様子が広がります。因みにこのフローティングヴィラ、1戸のお値段の目安は約330万ドルだそうです。

2017年の猛暑でUAEの珊瑚の70%が死滅しました。このプロジェクトは海洋環境の蘇生を目指しています。地域固有の海洋生物の生息地として珊瑚礁を育てる計画です。島には世界最大の珊瑚研究所があり、10万個の珊瑚の再生に取り組んでいます
珊瑚は通常1年に約1センチしか成長しませんが、ここではそれを断片化して最大20倍の速さで成長させることができます。子供たちが水中に珊瑚の断片を植林のように植えていき、珊瑚を育てていくというユニークな試みも行われています。

島の上では、スペインのアンダルシア産の樹齢1500年のオリーブの木が植林され、島々を豪華な楽園に変えています。農薬、殺菌剤、防虫剤などは一切使用していません。
開発者側によると、すでに80%以上が売約済みとのこと。ここは究極のラグジュアリーとサステナビリティが共生する、まことにドバイらしい夢の人工島リゾートなのです。
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