アンダルシア州の州都セビリアは、オペラ「セビリアの理髪師」や「カルメン」の舞台として知られるスペイン有数の観光都市。ホテル アルフォンソ13世「Hotel Alfonso XIII」はその中心部に位置する、スペイン全土でも最上位にある歴史と格式を誇る名門ホテルである。
すぐ隣には、広大な敷地を持つセビリア大学がある。その校舎はかつての王立タバコ工場で、オペラ「カルメン」の主人公カルメンが働いていたことで知られている。

ホテルのデザインは建築家ホセ・エスピア・イ・ムニョスによるもの。正面ファサードはムーア様式の技法を取り入れたネオ・ムデジャール様式という独自のスタイルである。1916年に建設が始まり、29年開催のイベロ・アメリカン博覧会(セビリア万博)に合わせて正式にオープンした。
開業時には、ホテル名に名を冠するスペイン国王アルフォンソ13世と女王ビクトリア・ウージニーが列席して盛大な宴会になったという。
現在、ホテルはスターウッド のラグジュアリーコレクションの傘下にあり、「Hotel Alfonso XIII, A Luxury Collection」が正式名称。建物はセビリア市の所有となっている。
エントランス&レセプションホール。ホテルスタッフたちは地元アンダルシア様式の制服を着こなす。
情熱的な生花が飾られた中央ロビーホール。同ホテルはセビリアスイート22室を含む全148室を擁する。
館内はセビリアの伝統的な装飾とアラビックなムーア様式が調和されたデザイン構成となっている。中央部には美しいパティオが配置されている。
パティオを囲むように配置されたエレガントなラウンジ。
「Grand Deluxe Room」は約45㎡の広さを持つ。アンダルシアの空気を感じさせる重厚感あふれる部屋となっており、バルコニーからはガーデンプールが望める。
「Grand Deluxe Room」バスルーム。壁面全体にタイルの文様が装飾されている。
パティオに面したメインダイニング「San Fernando Restaurant」。自然光が差し込む開放感のある空間の中、地元アンダルシア料理が楽しめる。
ダイニングバー「Ena by Carles Abellan」。ミステリアスなアラビアンムードたっぷり。

「Ena by Carles Abellan」はシェフのCarles Abellan がプロデュースする人気のダイニングバー。
アールデコスタイルのメインバー「Bar Americano」。
バンケットサロン「Royal Salon」での朝食。
プロフィール

小原 康裕
YASUHIRO OBARA
ホテルジャーナリスト
慶応義塾大学法学部法律学科卒。
1974年Munich Re 入社。
2001年投資顧問会社原健設立、代表取締役CEO。
JHRCA、日本ホテルレストランコンサルタント協会常務理事。
SKAL International Tokyo、Professionnels du Tourisme 会員。
JARC、日本宿泊施設関連協会アドバイザリーボードメンバー。
www.jhrca.com/worldhotel/?cat42
https://www.facebook.com/yasuhiro.obara.16