1923年のオープン以来、マラケシュを、いやアフリカを代表する最高級ホテルとして君臨するラ・マムーニア。事実、コンデナスト・トラベラー誌(アメリカ版)読者で、2018年度の世界No.1ホテル、およびアフリカの No.1ホテルの座を獲得しています。長い歴史を持つラ・マムーニアが、マラケシュのアイコン的存在であることは疑う余地がありません。

過去には5度の大規模改装を施し、直近2008年の改装時には、フランス人デザイナー、ジャック・ガルシアのディレクションのもと、3年をかけて1,000人以上の職人が作業にあたり、オープン当時と変わらぬ壮麗な雰囲気を保持し続けています。イギリスのウインストン・チャーチル首相が「この世の中で最も美しい場所」と絶賛したのもうなずけます。ほかにも、エリザベス二世、チャップリン、そしてザ・ローリング・ストーンズといった世界のVIPたちが綺羅星のごとく顧客リストに名を連ねています。



現状、135の客室、71のスイート、3棟のリアド(モロッコ風邸宅)があります。やはり人気のリアドに泊まりたいところ。リアドとは、アラビア語で“植物のある庭”という意味ですが、モロッコでは中庭付きの邸宅のことを指すようです。それゆえリアドの中庭は、豪華で、大理石のパティオ、中央にはブルーのタイルが敷き詰められたプールが。パティオを囲むように作られた広さ700㎡の3つのスイートルームは、ダイニング、屋内ラウンジ、キッチン、そして暖炉つきのベッドルームと、まさに宮廷を思わせる贅沢な造りです。
レストランは4つあります。まずモロッコの伝統料理と現代風にアレンジされた創作料理を供する「ル・マロケイン」。ランタンのほのかな灯りのなか、エレガントなフレンチをいただく「ル・フランセ」、高級感あふれるイタリア料理の「リタリアン・バイ・ドン・アルフォンソ」、そしてオールデイダイニングを楽しめるプールサイドの「ル・パビリオン・デ・ラ・ピスィン」の4店です。
バーは2つ。ジャズ好きにはたまらない「ザ・チャーチルバー」。庭園そばのパティオにはベルベットのソファでくつろぐ「ル・モロッカンバー」が。落ち着いた雰囲気の「ザ・イタリアンバー」ではカウンターで静かに一杯いただく時間を。
また、2,500㎡の広さを誇る自慢のスパは、モロッコとオリエントの文化が見事に溶け合った雰囲気のなか、完璧なる癒しと安寧の場を提供しています。ここでは、ハマム、サウナ、ガスール(粘土やサフランなどの天然物を使用したボディケア)、アルガンなど豊富なメニューがそろっています。
7ヘクタールにもおよぶ見事な公園と菜園を備えた最高級ホテル、ラ・マムーニアの静寂のなかで、贅沢な宮廷生活のひとときをお過ごしください。早朝のアザーンで目が覚めるのも異国情緒があってよろしいのでは。

さて、そのラ・マムーニアが、2020年5月25日~9月1日までの長期休館を伴う、大規模な改装計画を発表しま した。 今回の大規模改装を手がけるのは、パリのパトリック・ジュアンとサンジット・マンクです。
飲食スペースを全面的に改装し、新しいイメージに創り上げます。さらに、客室とパブリックエリアの構造的な改修を行います。いくつもの時代を超えてきたラ・マムーニアが、次の時代を見据えてエネルギーを再充填し、ラ・マムーニアらしい伝統的な趣きを継承しつつ、新たなコンテンポラリースタイルに生まれ変わります。
総支配人のピエール・ジョシェムは、「現代を象徴するアイコンであり、また長きにわたり その魅力と伝統を維持してきた築95年の歴史的建造物であるラ・マムーニアの改装に取り組めることを、楽しみにしています。」とコメント。
進化を続ける世界最高クラスのラ・マムーニアが、どんな驚きを見せてくれるか、いまから9月が楽しみです。
(「エッセイ」カテゴリーのラ・マムーニアの記事もご覧ください。)
La Mamounia
Avenue Bab Jdid 40 040 Marrakech Maroc
電話:+212 5243 88600
https://www.mamounia.com/en/
問合せ:informations@mamounia.com
参考:4月のClassic Twin Room 1泊料金約¥48,000より(税別)
同上 最上級Riad 1泊料金約¥683,000より(税別)