1月27日、日本人初のミシュラン3つ星シェフが誕生しました。その偉業を成し遂げたのは、パリでレストラン「Kei」のオーナーシェフとして活躍する小林圭さん(42)。ミシュランガイドが、3つの星でレストランを評価するようになったのは、1931年のこと。以来、日本人で本場フランスの3つ星を獲得したシェフはひとりもいませんでした。
小林さんは、1988年にパリに移住、その後、3つ星レストランでジル・グージョンがシェフを務める「オーベルジュ・ドゥ・ヴュ・ピュイ」やホテルプラザ・アテネの「アラン・デュカス」で働いたあと、9年前に独立しました。素材を大切にしたクラシックなフレンチに、故郷日本のテイストを加味した至高のメニューです。
また、「ラシーヌ」の田中一行さんと「ラビス」の岡崎泰也さんが新たに2つ星を獲得しました。ちなみに、小林さんは、2017年から2つ星の座にありました。
今回のミシュランガイドの格付けに関しては、1965年以来、3つ星を維持し続けてきたフレンチの巨匠、ポール・ボキューズ氏の話題で持ち切りでした。ボキューズ氏の「ローベルジュ・ドゥ・ポン・ド・コローニュ」が今回、3つ星の座を追われることになったのです。ボキューズ氏は2018年、91歳で亡くなりましたが、葬儀には1000人以上が参列し、エマヌエル・マクロン大統領は「彼はフランス料理の化身だ」と弔辞を送ったほどでした。そんな巨匠から3つ星を奪うのかと、様々な批判がミシュランガイドに対して投げかけられたのです。また、ミシュランガイドの格付けに不満を持つシェフが裁判を起こしたりと、話題は絶えません。
熾烈な闘いが日々続く料理の世界に、変わらぬ影響力を持ち続けるミシュランガイドゆえ、こうした騒動がやむことはなさそうです。
□2020年フランスの全ミシュラン3つ星レストラン
(店名)/(シェフ)/(初獲得年)
◇Clos de Sens/Laurent Petit 2019~
◇Maison Lameloise/Eric Pras 2007~
◇Le 1947 at Cheval Blanc/Yannick Alleno/Gerard Barbin 2017~
◇Les Pres d’Eugenie-Michel Guerard/Michel Guerard 1977~
◇L’Auberge duu Vieux Puits/Gilles Goujon 2010~
◇Christopher Coutanceau/Christopher Coutanceau 2020~
◇Christophe Bacquie/Christophe Bacquie 2018~
◇L’Oustau de Baumaniere/Glenn Viel 2020~
◇La Bouitte/Rene and Maxime Meilleur 2015~
◇Le Petit Nice/Gerald Passedat 2008~
◇Flocons de Sel/Emmanuel Renaut 2012~
◇Mirazur/Mauro Colagreco 2019~
◇Le Louis XV-Alain Ducasse a l’Hotel de Paris/Franck Cerutti & Dominique Lory 1990~
◇Le Bois sans Feuilles - Troisgros/Michel & César Troisgros 1968~
◇Kei/Kei Kobayashi 2020~
◇L’Anbroisie/Bernard Pacaud 1988~
◇Guy Savoy/Buy Savoy 2002~
◇Arpege/Alain Passard 1996~
◇Alain Ducasse au Plaza Athenee/Romain Meder 2016~
◇Alleno Paris au Pavillon Ledoyen/Yannick Alleno 2015~
◇Epicure/Eric Frechon 2009~
◇Le Cinq/Christian Le Squer 2016~
◇Pierre Gagnaire/Pierre Gagnaire 1998~
◇Le Pre Catelan/Frederic Anton 2007~
◇Regis et Jacques Marcon/Regis & Jacques Marcon 2005~
◇La Vague d’Or/Arnaud Donckele 2013~
◇L’Assiette Champenoise/Arnaud Lallement 2014~
◇Pic/Anne-Sophie Pic 2007~
◇Georges Blanc/Georges Blanc 1984~