フランスにおけるホテル格付けのトップ・オブ・ザ・トップの称号「パラス」。歴史的価値から格別なサービスまで、細かい選考基準が設けられています。フランス観光開発機構が5つ星ホテルのさらに上のレベル「パラス」を設定、2010年に始まりました。現在、フランス全土では24軒だけがこの最高の称号を栄誉を得ています。
そのパラスの栄誉を2015年のオープンからわずか2年たらずで獲得したのが、パリ中心部の閑静な地にあるラ・レゼルヴ・パリ。凱旋門から遠くない大統領官邸エリゼ宮の近く、ガブリエル通りというエレガントなエリアに建つ個人の邸宅のような建物は、以前、デザイナーのピエール・カルダンの棲家でした。
ひっそりとした隠れ家のようなホテルからは、グラン・パレ、エッフェル塔、パンテオン、コンコルド広場などパリの風景を一望できます。1854年、ナポレオン3世の異父兄弟シャルル・ド・モルニー公爵が建てた館です。現在のオーナーは、シャトー・コスデストゥルネルのオーナーとしても有名なミシェル・レイビエ氏(Michel Reybier)。歴史ある館は4年の歳月をかけて大改装されました。ホテルの内装は、フランスでも特に人気の高いジャック・ガルシア氏が手掛けています。
この瀟洒なホテルには、エントランスホールは存在しません。玄関を入ると左側に『サロン・ルイキャーンズ』(ルイ15世の間)があります。ここがいわゆるロビーの役目をはたしていますが、チェックインはゆったりと客室で行われます。ゲストには、到着の直後に部屋の説明などを行う野暮なサービスはありません。チェックインと同時に我が家のようにくつろいでほしいというホテル側の思いと、私邸のような居心地のよさが随所に見て取れます。
『サロン・ルイキャーンズ』に隣接するのは『ル・バー』。なんとも重厚な内装です。『ル・バー』ではバーとしての利用はもちろん、ランチタイムやティータイムには軽食も用意されています。ちょっとした休憩や待ち合わせにも利用できるリラックススペースです。
『ル・バー』の奥は、メインダイニングの2つ星レストラン『ル・ガブリエル』です。ここの内装にも圧倒されます。壁全体が、細工を施したレザーで覆われていながら、華美すぎない洗練された出コールはさすがジャック・ガルシアです。ランブロワジーやルカカルトンで腕をふるったジェローム・バンクテルが率いるスターレストランでは、“新時代のクラシック”と称される、大胆かつ緻密、エレガントでモダンなフレンチが供されます。
少しカジュアルなレストランも用意されています。その『ル・パゴド・ド・コー』では、朝食も供されます。『ル・パゴド・ド・コー』の先には中庭が続き、夏の間はここで朝食や食事のサービスも。その中庭に面した『ビブリオテック・デュック・ド・モルニー』(ド・モルニー公爵の図書館)は、最もリラックスできる落ち着いた場所かもしれません。オーナーの私物という古書群を紐解きながら、シャンパーニュでもいかがでしょう。
部屋は、ベーシックなゲストルーム(14室)よりスイートルーム(26室)が多いという、ゲストのレベルを容易に想像できる構成です。オーナーのアートコレクションがさりげなく飾られ、パリの高級アパルトマンさながらの贅沢でリラックスした時間を過ごせることでしょう。レセプションと簡単に連絡できるタブレット、鏡に内包されたテレビジョン、無料の映画コンテンツなどなど、最新技術も完璧です。さらに全室、ウオシュレットを完備。
ホテルの地下には、スパと16mのインドアプールも完備されています。プールは、思いのほか大きく、照明も明るく、デザインも魅力的です。スパで使用しているのは、スイスの有名なアンチエイジングケアのブランド「Nescens」、フェイスとボディのトリートメントはゲストごとに対応しています。最高レベルのトリートメントに期待感が高まります。
「お帰りなさい」と迎えてくれるスタッフの手厚いホスピタリティは、どこか日本の高級旅館を思い起こさせます。せっかくのパリなら、まことにパリの最上級の居心地を提供してくれる“隠れ家パラス”で過ごすのが最高かと。
La Réserve Paris HOTEL & SPA
42 avenue Gabriel 75008 Paris
電話:+33 1 58 36 60 60
問合せ:reservations@lareserve-paris.com
https://www.lareserve-paris.com/fr
参考:3月のPrestige Room / 40㎡ 1泊料金約¥110,000より(税別)
同上 Presidential Suite / 140㎡ 1泊料金約¥735,000より(税別)