長い間、人にほとんど知られることのなかったインドネシアのスンバ島に、旅の達人たちがこぞって称賛するリゾートがあります。いまだに万人を魅了する秘境として人気のスンバ島ですが、この地で2016年、2017年と2年連続で有名旅行雑誌『トラベル+レジャー』のワールドベストに選ばれたのが、ラグジュアリービーチリゾート、ニヒ・スンバです。ここはまだまだ日本人の訪問客も少ない隠れ家リゾートなのです。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 スンバ島まではバリからジェット機で約55分。空港のある島の北西部、タムボラカに到着です。着陸前には、コモドドラゴンの棲地であるコモド島が見えます。空港で待つスタッフがここからはしっかりとお世話してくれます。空港からニヒ・スンバまでは狭く曲がりくねったでこぼこの道路を行くこと約1時間半ほど、広大な敷地を擁するリゾートが出迎えます。

いまだに島の3分の1の人たちは土着の“マラプ”と呼ばれるアニミズムを信仰しており、驚くほど多くの現地語が使われています。コメの収穫期になると、豊作を願って現地のスンバ馬を使ったパソラという格闘戦の儀式が今日でも行なわれ、時として死者も出るそうです。

 スンバ島は、80年代後半、熱狂的なサーファー、クロード・グレイブスと奥さんのペトラが、島の南西部の海岸に素晴らしい波を発見して以来、国際的に注目を集めることになります。4月から10月のサーフィンシーズンには、世界でも最高のレフトハンダーと言われる10フィート超えの波が生まれることで知られています。そこでグレイブスが造ったほったて小屋風の宿がサーファーたちのちょっとしたリゾートになりました。そのうち、欧米の富裕層がプライベートリゾートを求めてやってくるようになったのです。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 そんな中に、NYの大富豪クリストファー・バーチがいました。ご存じ、トリー・バーチの元旦那様で億万長者の投資家です。彼は2012年、3人の子供たちと共にここを訪れました。その年の暮れ、彼は友人のジェームズ・マックブライド(マンハッタンのカーライルホテルとカリブ海のローズウッドホテルのオーナーです)とその施設を買い取ることにしたのです。

 海に向かって傾斜する270ヘクタールの土地(東京ドーム58個分)には、バーチが最初に土地を購入した頃は貧弱な部屋が12しかありませんでした。そこから約3千万ドルの資金を注ぎ込み、27のヴィラに38室のゲストルームを造り上げたのです。すべての部屋にはプライベートプールが用意され、さらにスパ棟と馬の厩舎もあります。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 そして、思わず息を飲むような紺碧の海がリゾートの前には広がっています。なにせスンバ島は世界中のサーファーたちの憧れのスポット、素晴らしい波をつかんでサーフィンがいつでも楽しめるほか、スノーケリングだけでも、色とりどりの珊瑚礁やトロピカルフィッシュに出会うことができます。

 このリゾートは、そのプライベートビーチと輝く海を存分に楽しめる設計となっていて、スンバ地方の言葉でLantoro、Wamoro、Luluといった木や水、海の産物などの自然界から取った名称を冠したヴィラが、2.5キロにも及ぶビーチや鬱蒼と生い茂るジャングルの中に点在しています。スンバ島の伝統家屋を模した茅葺屋根の建物が特徴的です。1~5ベッドルームの豪華なヴィラに一度足を踏み入れたら、なかなかアクティブにというわけにはいかなくなるかもしれません。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 メインダイニングのOmbakでは、パノラミックな海の風景を眺めながらの食事を楽しめます。インドネシアローカルとインターナショナルのフュージョンで、その日獲れた魚介料理は格別です。地元のスタッフたちもフレンドリー。またビーチには、Nio Beach Club & Poolがあり、ランチタイムにはピザや魚介料理などを最先端プールでくつろぎながら楽しめます。また夕方にオープンするBoat Houseでは夕陽を見ながらの軽食やカクテルが供されます。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 さまざまなアクティビティも用意されています。早朝のヨガ、パドルボーディング、ヤスを使った魚突きやボートフィッシング、ダイビングから、原住民の村訪問やトレッキングなど、どれも充実した忘れられないバカンスの思い出を作ってくれるはずです。もちろん、ハイライトは世界クラスの波を体験できるサーフィン。また、ビーチをスンバ馬とともに走る乗馬体験も人気です。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 そしてリゾート滞在中、究極ともいえる素晴らしい体験はやはりスパ・サファリでしょうか。断崖絶壁の上、ライスフィールドと海をバックに建つスパ施設で、波の音を聴きながら、オリジナルのシグネーチャーマッサージや食事も含まれた1日パッケージは至福の時間を約束してくれます。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 リゾートの収益は前オーナーのクロード・グレイブスが設立したスンバ財団を通して地元の暮らしに還元されます。財団はバーチが引き継ぎ、運営しています。病院建設や100か所以上の井戸、16の小学校に給食や備品を提供するほか、マラリア予防センターにも協力して罹患が85%も減少したそうです。地元との共存を考えたラグジュアリーエコリゾートを実現しています。

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Courtesy of NIHI SUMBA

 スーパーリラックスできるラグジュアリーリゾート、ニヒ・スンバでは時間という概念を失くしてしまうことでしょう。この超絶に人を魅了するリゾートの一時的な住人になった途端、人生を縛るあらゆる規則や慣習から解き放たれる気分を満喫することになります。一泊1500ドル、それが高いか安いか、行ってみたらわかるはずです。


NIHI SUMBA by Chiris Burch

Desa Hobawawi, Kecamatan Wanukaka, Sumba, 87272 Indonesia

電話:+62 361 757149  

http://nihi.com/ 

参考:1泊料金の目安は約10万円~15万円

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