エジンバラは街の中心を東西に走る鉄道線路を境に、南に中世の名残をとどめる旧市街、北に18世紀に区画整備された新市街が広がっている。旧市街はスコットランドを代表するエジンバラ城が建ち、城から延びるメイン・ストリート「Royal Mile」周辺には多くの歴史的建物が点在、中世そのままの街並みが残る。新古典主義の建物が並ぶ新市街は後のヨーロッパの都市計画に多大の影響を与え、「計画都市の最高傑作」と評された。1995年にはその新旧を含めた街全体が世界遺産に登録されている。そしてザ・バルモラルは新市街の一等地に建つ。
旧市街側から見たザ・バルモラル。エジンバラの象徴とも言える大きな時計台が印象的なホテルで、写真下に見えるエジンバラ中央駅のウェーバリー駅に直結している。時計台は創業以来、市民が列車に乗り遅れないように時計の針は3分速く設定されている。時計台が時間通りに実行される唯一の日は大晦日の12月31日と言われる。

ザ・バルモラルは20室のスイートを含めた全188室を擁す。ホテル外観は重厚な歴史的建築様式を残しつつ、館内はスコットランド流のコンテンポラリーなデザインで調和している。
エドワード朝様式のファサードを持つザ・バルモラルは1997年にロッコフォルテ卿のRF ホテルズの傘下に入り、「Rocco Forte The Balmoral」として現在に至っている。正面エントランスにはタータンチェックの伝統衣装“Kilt”を着用したドアマンが立ち、歴史と伝統を受け継ぐ姿勢が快く感じられる。
中二階回廊から俯瞰する正面エントランスホール。

スコットランド流の美しい生花が映える中央エントランスホール。中央に飾られた生花の奥に位置するのはコンシェルジュデスク。
歴史を感じさせる時計と客室レターボックスを背後に置いたレセプションデスク。

エジンバラのスコーン宮殿から名を冠した約95㎡の広さを誇るスイート「Scone & Crombie Suite」のベッドルーム。
リビングルームはクラシカルな暖炉と歴史を物語るチェアが印象的。窓から旧市街とエジンバラ城が望める。
端正な佇まいのバスルーム。バスタブは独立しており、底の支えに古典的な猫足が付く。
スパ施設「The Balmoral Spa」。世界的に展開する英国スパブランド「ESPA」が担当している。
「The Balmoral Spa」内にある15mの本格的ラッププール。

ファインダイニング「Number One」はホテルが立地する“プリンセス・ストリート1番地” に由来し、ミシュラン星を持つエジンバラ屈指のレストラン。

各テーブルの前で、スタッフが各種スコットランド産のパンを切り分けていく。
アフタヌーンティーが好評の華麗な「Palm Court」。中二階回廊に張り出したボックスからハープの生演奏がある。
ブラッスリースタイルの伝統的スコットランド料理が楽しめる「Hadrian’s」。

メインバー「Scotch」では、伝統衣装のキルトを着用したウィスキー・アンバサダーがスコッチの案内をしてくれる。

ザ・バルモラルはスコットランドの首都エジンバラに、100 年以上の歴史と伝統を誇るランドマークとして君臨してきた。

プロフィール

小原 康裕
YASUHIRO OBARA
ホテルジャーナリスト
慶応義塾大学法学部法律学科卒。
1974年Munich Re 入社。
2001年投資顧問会社原健設立、代表取締役CEO。
JHRCA、日本ホテルレストランコンサルタント協会常務理事。
SKAL International Tokyo、Professionnels du Tourisme 会員。
JARC、日本宿泊施設関連協会アドバイザリーボードメンバー。