ランスからクルマで30分、エペルネの街を望む丘の村、シャンピヨンにロイヤル・シャンパーニュホテル&スパがあります。ここは昔、フランス国王がランスでの戴冠式の途中に立ち寄る宿でした。

このエペルネに広がるぶどう畑の圧倒的な風景が、あるアメリカ人のカップルを魅了しました。デニス・デュプレとその夫、マーク・ナンリーです。ふたりはボストンを本拠地としるシャンパーニュ・ホスピタリティグループの創設者で、2014年に49室のロイヤル・シャンパーニュを買い取りました。彼らはすでにシャンパーニュのことを知り尽くしていました。ビオデナミで有名なあのルクレール・ブリアンのオーナーのひとりでもあったのですから。彼らはこの歴史ある建物には十分な投資とリノベーションの価値があると確信したのです。

改修には地元ランスのジョバンニ・ペイスが起用されました。彼はモエ&シャンドンのワイナリーをデザインしたことで最近注目を集めた建築家で、彼はロイヤル・シャンパーニュのもとの建物を残しながら、新たにライムストーンの三日月形のビルを増築しました。歴史ある建造物を扱うには勇気のいる仕事でしたが、彼は完璧に成し遂げました。

室内デザインはパリのシビル・ド・マージェリーが担当しました。コンテンポラリーで心地よい空間です。ブロンドのオーク材、灰褐色とシャンパーニュ色でまとめられています。部屋にはオーク材で造られたビルトインのワードローブがあり、バスルームはライムストーンでオーク材が壁を覆い、ダブルの化粧台、アメニティはエルメスと贅沢な装いです。天井は高く、床はオークの寄木細工造り。広々としたバルコニーには椅子とテーブルが用意され、ゆったりとくつろぐことができます。
ホテルのシャンパーニュバーは圧巻です。200種類ものヴィンテージものを試すことができます。天気がよければ、外の広大なテラスで飲み物が供されます。ニースのシャントクレールで働いていたシェフのジャン・デニス リウブランドがホテルのふたつのレストランを指揮します。スパの上階に位置する「Le Bellevue」はマルヌヴァレーを見渡せるパノラミックなテラスが自慢です。ここは四季折々の料理を提供するコンテンポラリービストロ。隣の席には地元のワインメーカーの人が食事しているかもしれませんね。「Le Royal」はミシュランひとつ星のガストロノミックテーブルで、5コースのシグニチャーメニューがお勧めです。
日中は、レンタルの電動自転車で周りのぶどう畑を散策するもよし、9室のトリートメントルームを持つゴージャスなスパで寛ぐもよし。1500㎡もある広大なスパ施設には、オリンピックサイズのプール、ハマム、サウナ、フィットネスルーム、ヨガスタジオ、ジュースバーもあり、ここでのフェイシャルにはあのビオロジック・ルシェルシェが使用されています。フルボディマッサージ(€115)がお勧めです。
サービスは奥深くフレンドリーかつプロフェッショナル。いまやここがシャンパーニュ最高の隠れ家ホテルでしょう。現代のラグジュアリートラベラーが求める、21世紀のフランスのホスピタリティの真髄がここにあります。

Royal Champagne Hotel & Spa
電話:+33 3 26 52 87 11
9 Rue de la Republique, Champillon
問合せ:reservation@royalchampagne.com
参考:1泊の目安は、Garden Junior Suiteが約6万5千円(ローシーズン)
お勧めは、Panoramic Suite1泊約8万5千円