ロンドンの一等地メイフェアーにある老舗5つ星ホテル「ザ・ドーチェスター」。世界でラグジュアリーホテルを展開する「ドーチェスター・コレクション」のフラグシップホテルです。

 ザ・ドーチェスター内にあるレストラン、ザ・グリルは1931年にオープン、ロンドンで最も長い歴史を持つ高級レストランのひとつになりました。しかし、ここ10年は、新しくて刺激的なコンセプトの店が毎週といってよいほどロンドンのストリートに誕生し、フィッシュ&チップスやサンデーローストといった伝統的なイギリス料理を供するザ・グリルは少々時代遅れのイメージがあったようです。

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Courtesy of The Dorchester

 そんなザ・グリルが大変身、若くて才能のあるヘッドシェフが舵を取り、王座へのカムバックを図っています。名門ザ・ドーチェスターのザ・グリルが、英国で最も才能のある若い料理人のひとりをシェフとして迎え入れるというニュースは世間をあっといわせました。なんと26歳という若さの新たなシェフ、トム・ブートンは、この歴史あるレストランで最年少の料理長であり、それは新たな客を惹きつけるために不可欠の要素だったのです。

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Courtesy of The Dorchester

 ブートンはほぼ4か月を費やして、モダンな英国料理とグリル料理に焦点を当てて、新しいメニューの開発に没頭しました。そして、その新しいメニューは昨年11月に発表されました。

 ブートンによる新生ザ・グリルは、改装も施され、著しく魅力的なレストランに変身しました。A4用紙1枚にぴったり収まるディナーメニューには、3品または4品のコースメニューがあります。各コースにはそれぞれ4〜5つのオプションがあります。ほかに、同じスタイルのベジタリアンメニューも用意されています。

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Tom Booton - Courtesy of The Dorchester

 子羊のラック(骨付きリブロース)とカレイのグリルは古臭い料理のように思えますが、いずれも最高のフィネスで調理され、ちょっとした現代風アレンジも施されています。子牛の胸腺肉(スイートブレッド)は、美しくレイアされたレンズ豆、根用セロリ、マイタケとともに提供されます。伝統的な豚肉に代わりエビを使ったスコッチエッグは、温かいタルタルソースが添えられ革命的な美味しさです。ブートンが新生ザ・グリルの代表的なメニューにしたいと思っている、ロブスターのテルミドールのタルトもお薦めです。

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Lobster - Courtesy of The Dorchester

 デザートメニューは新しく考案されたプディングバーでどうぞ。シェフがリッチなチョコレートの“ダブルデッカー”またはバナナのローストアイスを添えたバノフィーのタルトを準備している様子を間近に観察できます。運が良ければ、ブートン自身に会うこともできます。ブートンは顧客と接するのが大好きなようで、秀逸な料理と同様に印象的な笑顔でゲストたちを迎えてくれます。このカウンターバーは、ゲストたちが気軽に立ち上がり、動き回れる雰囲気を作り出して、ブートンと彼のチームと交流する機会がカジュアル感を高めてくれます。

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Pudding Bar - Courtesy of The Dorchester
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Pudding Bar - Courtesy of The Dorchester

 重厚ななかにもカジュアルでフレンドリーな雰囲気を漂わせる新たなザ・グリル。若き料理長が変革を引き起こす伝統のレストランでのダイニングはロンドンのガストロノミーには欠かせないエレメントになりそうです。

(Jan.21.2020)


The Dorchester

住所:Park Lane, London W1K 1QA

電話:+44 (0) 20 7629 8888

ドーチェスターコレクション予約センター:0120-914-084


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